埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター

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【YTTレポート】形成外科医のよく使う縫合方法

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当院では、研修医・医学生を対象にした勉強会、Young Trauma Talk(YTT)を定期開催しています。今回は当センターの形成外科・美容外科の医師、河野 暉先生より救急の現場でよく使う縫合方法の紹介とレクチャーをいただきました。

また、当勉強会に関連して、縫合と局所皮弁のハンズオンを4/14に開催しました。エバート縫合、Z形成、VYフラップ、Rhomboid flapなど手技の習得機会は、これまでコロナウイルスの影響によりできませんでしたが、今後はより力を入れて行う方針です。

縫合の基礎と実演

形成外科6年目、2022年に当センターへお越しいただいた河野先生。

「形成外科ってどんな科か知っていますか? 」と、振り返るところから勉強会がスタートしました。

一般的に美容のイメージが強いこの科ですが、小児、外傷、再建(重度外傷の皮膚欠損を覆うなど)の4分野に分けられます。今回の勉強会では救命救急センターで扱う外傷の事例を取り上げていただきました。

表皮縫合する手技のバリエーション

表皮の縫合をする際、皮膚にステッチマークを残さないためには、皮膚と皮膚がちょうど寄るくらいのテンションでやさしく結紮(けっさく)するのが大切です。

コツは

1結紮目で創縁を寄せる(強く締めない)

2結紮目は1結紮目の結紮点に置いてくるイメージ

3結紮目以降ははゆるまないための補助

実際に、基本の結節縫合を模型でみせていただきました。
これさえできれば、あとの縫合は応用とのこと。

先生の手技を間近に、時間をかけて見れる機会は貴重です。
非常に繊細な手さばきの手技でした。

表皮縫合の応用

基本の手技を学んだあとは、応用の縫合方法を学びました。
実際の手術動画をまじえながら、非常にわかりやすいレクチャーをいただきました。

②連続縫合ロックなし
③連続縫合ロックあり
④水平マットレス縫合
⑤垂直マットレス縫合
⑥3点縫合

真皮縫合の方法

皮膚をなるべくテンションをかけずに寄せるときれいに治すためには、真皮、皮下組織もきれいに揃えて縫合することが大切になります。

真皮を盛り上げて縫う場合と、盛り上げずに縫う場合にわけて、実際の手術の様子を見ながらレクチャーをいただきました。

救命救急における縫合の手技取得

現場では患者の命を優先し、短時間で処置できる連続縫合を採用することが多いです。しかし、結節縫合のほうが傷の治りがきれいになるそう。

「慣れている手技ばかりになってしまうよりも、試しに実践をしておくといいです」と、先生よりコメントをいただき、4/14のハンズオンへの期待が高まりました。

4/14 縫合・局所皮弁ハンズオン 

ハンズオンでは25名程の研修医、特定看護師、医学部5年生が参加しました。

講師は当センターと形成外科より5名。テーブルごとに分かれ、エチコンさまよりご提供いただいた豚皮、豚足で手技を実践!

予定を1時間オーバーするほど、みなさんが熱心に取り組んだハンズオンでした。

Young Trauma Talk(YTT)のご案内

Young Trauma Talk(YTT)は月に1~2回程度の頻度で定期開催しています。参加費無料。形成外科、感染症科、公衆衛生など、外傷治療に関わるさまざまな専門家を交え、少人数のトーク形式で情報交換する場です。

ぜひご自身のスキルアップ、情報交換の場にお役立てください。

次回の開催内容は、お知らせより告知します。
参加希望の方はお問い合わせフォームまたはTwitterよりお問い合わせください。

https://twitter.com/smcqq