プログラム内容

当救命センターでは、最終的に体幹部外傷を扱えるようになることを目指しています。体幹部外傷手術の件数は年々減少しており、救命センターのみでの研修で体幹部外傷手術を習得することは現実的に不可能です。そのため、外科(消化管、肝胆膵、胸部、心血管)への研修が不可欠です。救命センターでの研修で外傷症例への初期対応や周術期管理を学び、外科研修医で基本的手技を習得した後に、外傷手術の執刀を行えるようになることが目的です。救急医学会と外科学会は、ダブルボード専用の外科領域専門研修カリキュラム制整備基準が日本専門医機構に承認されているので、研修期間を1年短縮できる場合があります。当院では消化管外科、肝胆膵外科、胸部外科、血管外科、心臓外科があり、一施設のみでダブルボードの取得が可能です。また、他施設での外科研修も可能です。(実績あり)

募集概要

募集人数

各年次1〜2名 ＊要相談

研修期間

原則4月から研修開始となります。研修開始日の2ヶ月前までに必要書類を提出する必要があります。したがって、研修開始希望日より少なくとも6ヶ月前までに研修希望の旨をご連絡いただけると幸いです。応募者が多数の場合には、選抜させていただく場合があることをご了承ください。

救急+外科 取得者インタビュー

ダブルボードに至った経緯

自分が専門としている重症体幹部外傷患者の救命には様々な治療技術が必要になります。手術だけでなく、プレホスピタルや初療、またIVRもできるようになることで、より迅速に、必要とされる治療を導入できるようになると考えダブルボードを決めました。

取得後の活用状況

外科専門医として体幹部外傷手術に、救急専門医として初療やドクターヘリ診療に従事しています。IVR診療にも携わっており、今後IVR専門医の取得も目指しています。

当センターで取得をサポートしてもらえた体験談

当院の先輩には、たとえ自分の仕事が増えても、後輩が研修に出ることにNoと言う人はいません。元々経験が少なかった肝胆膵外科での半年間の研修や、より経験を積みたい心臓血管外科への週１回の研修にも、快く行ってこいと言って頂きました。

最後に

ダブルボードの取得は、できる診療の範囲が広くなり実力はあがりますが、治療技術をもったことへの責任や、休日夜間の呼び出しも増えます。今のご時世には逆行している道とも思います。それでも実力をつけたいという人がいれば、最大限サポートさせて頂きます。

プログラム内容

近年、救急医のサブスペシャリティとして整形外科専門医は有力な選択肢の一つとなっています。その理由として、整形外科が対象とする患者は数も多く、ジャンルも多方面（脊椎外科, 末梢神経外科、人工関節など）に及びます。
本プログラムのメリットとして、日本救急医学会と日本整形外科学会の提携により、プログラム制では救急専門医を取得・カリキュラム制では整形外科専門医を取得する場合、各々の専門医を個別で取得するよりも1年早く両方の専門医を取得することができます。
年間1000件を超える手術症例を通して、様々なジャンルの整形外科外傷を学ぶことができ、特に脊椎・脊髄外傷は日本で最も多くの症例を扱っております。整形外科専門医取得に必要な外傷以外の各ジャンルの研修については、本院である埼玉医科大学病院整形外科教室や、東京大学・帝京大学をはじめとした都内大学病院の整形外科とも提携しており、研修先に困ることはありません。また、当院での大きな特徴としてオーダーメイドの研修プログラムが組めることもあげられます。例えば、研修中に脊椎外科や血管外科等の国内留学や海外研修を経験しておきたい場合もフレキシブルに対応可能です。

募集概要

対象者

救急専門医取得後（あるいは取得見込み）の医師
(それ以外の先生も適宜個別で相談に乗りますので、ご連絡ください。)

募集人数

各年次3〜4名

研修期間

3〜4年間（各先生の背景・実情に合わせてフレキシブルに対応します） 4月からの研修開始が望ましいですが、10月からの研修開始も可能としています。また、応募時点の所属施設との兼ね合いでプログラム開始時期が前後することは個別に対応します。埼玉医科大学の常勤医：助教（シニア）としての採用になりますので、プログラム開始にあたっては開始日の2ヶ月前までに必要書類を提出する必要があります。したがって、研修開始希望日より少なくとも6ヶ月前までに研修希望の旨を連絡いただけると幸いです。応募者が多数の場合には、選抜させていただく場合があることをご了承ください。

救急+整形外科 取得者インタビュー

ダブルボード取得に至った経緯

僕は救急専門医を2024年に取得し、現在は整形外科の専門医取得に向けて当センターで研鑽を積んでいます。
今まで僕自身スノーボード、サッカー、水泳をしていて、スポーツ外傷の専門をめざしたいと考えていました。
もともとスポーツをするような健康な人がけがをして生活の質が変化するのは絶望を感じる状況だと思います。
整形外科医としてそれらを治療し、元の生活に戻れるようになるのを支援できればと考え整形外科をめざしました。
ただ、後述するように主治医として全身管理のできない整形外科にはなりたくなかったので、全身管理の勉強をしてから整形の勉強をしようと思い救急科を専攻しました。

取得後の活用状況

現在は当センターで整形手術をメインに働いていますが、ドクターヘリにも搭乗し病院前救護にも参加しております。
また、外傷などは後遺症がのこることがあり、リハビリをして終了ではなく、その後数年にかけて外来でフォローすることになります。たとえば骨盤の術後フォローは10年と言われています。高齢の方も多いので内科的な管理をしていくためにも救急科の知識や経験が非常に役に立っています。
外傷の現場から手術、全身管理、退院後の生活支援などまで全人的に主治医として患者さんとかかわることに喜びを感じています。

当センターで取得をサポートしてもらえた体験談

当センターはダブルボード取得に対する寛容さがあり、一切の反対もないため、非常に居心地がよいです。
整形の症例としては外傷なのでニッチな部分はありますが、多発外傷が多いので整形の経験もそうですが、自分の内科的知識を活かしながら症例を集めることができます。
頚髄損傷の症例も多く、呼吸状態を含めた全身管理を自身でも経験しながら修練を積むことができています。

最後に

やりたいことがあり、目的があれば、必ずできると言えるほど自由度が高く、設備も整った施設だと思います。
具体的に目標のある先生はぜひ一度病院見学にお越しください。
毎日、手術をするのはとても楽しいですが、それだけが魅力ではありませんので、ぜひ一緒に働きましょう。

プログラム内容

脳神経外科と救急科とはもともと親和性が高く、脳神経救急においてはエッセンスを共有しています。脳神経外科医は意識障害患者の診療を行うという科の性質上、気管内挿管や中心静脈路確保、動脈圧ライン確保をはじめとし、人工呼吸器管理など全身管理に長けている必要があります。脳神経外科専門医と救急科専門医とのダブルボードには両科から一定のニーズがあり、このニーズに応えるために当科では両専門医取得を目指すためのプログラムを策定しました。
また、当センターは日本脳神経外傷学会の認定研修施設でもあるため、脳神経外科専門医ないしは救急科専門医の日本脳神経外傷学会認定専門医取得を目指しての研修も可能です。当科は国内有数の規模の外傷センターを有しているため、そのスケールメリットを活かし、充実した研修を実現できると確信しております。

募集概要

募集人数

各年次1〜2名程度
(専門医取得の順序次第では柔軟に対応)

研修期間

原則4月からの研修開始ですが、脳神経外科ないしは救急科専門医を取得済みで脳神経外傷専門医を目指す場合には開始時期に定めはありません。
いずれの場合でも埼玉医科大学の助教としての採用になりますので、研修開始日の2ヶ月前までに必要書類を提出する必要があります。したがって、研修開始希望日より少なくとも6ヶ月前までに研修希望の旨をご連絡いただけると幸いです。応募者が多数の場合には、選抜させていただく場合があることをご了承ください。

救急+脳神経外科 取得者インタビュー

ダブルボード取得に至った経緯

私の学年から新専門医制度がスタートしました。研修医時代は重症の全身管理や救命に興味があり救急科や麻酔科を目指そうと考えていました。救急を専門とした先輩方は、その後のサブスペシャリティを修練するため、救急専門医取得後に他科に入っていたため、自分もそのようにしようかと迷っていました。しかし、当時はまだ制度が整然とせずダブルボードをとれる確証もありませんでした。全身管理に興味があるものの前述の理由で具体的なビジョンが見えなかったため救急科は選択肢から外れ、手術にも興味があったため脳神経外科専門医を目指しました。無事脳神経外科の専門医を取得し、現在はダブルボードという制度も確立されたため救急科専門プログラムに乗っています。当施設は埼玉唯一のドクターヘリ運用施設であり、多発外傷としての頭部外傷の診療に携われる施設として上司の勧めでご紹介をいただきました。

取得後の活用状況

脳神経外科の知識を活用しながらドクターヘリでのプレホスピタルでの活動や、神経集中治療(自科でのICPモニター挿入や開頭手術、治療方針の決定など)、病棟管理や退院支援にも脳神経外科の経験や知識が多いに役立っています。脳神経外科の中でも外傷分野は顕微鏡操作が少なく手術手技は開頭のみかと思われがちですが、同じ外傷は唯一つとはありませんし、手術を目的とするのではなく予後改善をめざした神経集中治療を行っています。
他の病院では出会えないような超重症の多発外傷を経験することも多く、脳神経外科のみの知識では太刀打ちできないことがあるところも魅力的です。当院では救命科の中にそれぞれの科の専門家(多数のダブルボード)が存在するため、救急以外の専門を最大限に生かすことができる数少ない施設だと思います。

当センターで取得をサポートしてもらえた体験談

脳神経外科専門プラグラム履修中に1年間こちらの施設の救命科で働きました。当時は脳神経外科診療外での研修となり脳外科専門医での症例にカウントできませんでしたが、今後は一般脳神経外科と連携を図り脳神経外科専門医取得に必要な症例登録を行えるようにしていきます。
また、外勤先(連携施設)にTMGあさか医療センターがあり、日本トップレベルでの神経集中治療を経験することができます。
学術的にも学会参加や論文作成のサポートなど非常に優秀な先生方がおり、今後のキャリアアップのサポート体制も万全だと思います。

最後に

ダブルボードを取得しても、救急科では救急の仕事しかできず技術をもてあまし、もどかしい思いをするのではないかと思います。当施設ではプレホスピタルから救命、全身管理、退院支援などすべての分野でやりたいことに全力を注げる最良の施設だと思っています。是非、脳神経外科の知識や技術を持ち、ダブルボードに興味のある方がいましたら一緒に働きましょう。

プログラム内容

救急医療において、Vascular, Non VascularにかかわらずIVR（interventional radiology）のニーズは多くなっております。当施設は重症外傷患者が多く、総合母子周産期センターも併設しており、産褥出血症例も多く、さらには院内の術後出血に対する緊急IVRも救命センター内のIVRチームが担っております。救急専門医取得後のサブスペシャリティとして、救急IVR認定医取得を目的とするプログラムを策定しました。
救命センター内で救急医としてのスキルを維持しながら、日中は放射線科(画像診断科・核医学科)でIVR研修をしていただけます。定期のIVR症例としては、HCC（肝細胞癌）へのTACE（Vascular IVRの基本手技が全て詰まっていると考えています）、BRTO、EVAR前の内腸骨動脈瘤塞栓、内臓動脈瘤、門脈体循環シャント塞栓術、腎凍結療法、膿瘍ドレナージなどを経験することができます。緊急のIVR症例としては、外傷におけるTAE、産後大出血におけるTAE、消化管出血における内視鏡止血困難な場合にTAE、術後出血に対するTAEや末梢血管用ステントグラフト留置、喀血に対するBAE、膿瘍ドレナージを経験することができます。Vascular IRの豊富な症例があることが当施設のプログラムの特徴であり、2〜3年で認定が取得できます。

募集概要

対象者

救急専門医取得後（あるいは取得見込み）の医師
(それ以外の先生も適宜個別で相談に乗りますので、ご連絡ください。)

募集人数

各年次1〜2名

研修期間

2〜3年間（各先生の背景・実情に合わせてフレキシブルに対応します）
4月からの研修開始が望ましいですが、10月からの研修開始も可能としています。また、応募時点の所属施設との兼ね合いでプログラム開始時期が前後することは個別に対応します。埼玉医科大学の常勤医：助教（シニア）としての採用になりますので、プログラム開始にあたっては開始日の2ヶ月前までに必要書類を提出する必要があります。したがって、研修開始希望日より少なくとも6ヶ月前までに研修希望の旨を連絡いただけると幸いです。応募者が多数の場合には、選抜させていただく場合があることをご了承ください。

救急+救急IVR 取得者インタビュー

ダブルボード取得に至った経緯

私はこの病院の救急専門研修プログラムに乗っています。
この病院を選んだのは初期研修病院にきていた上司との出会いです。
救急の専門医を今後取得後の2階としてIVRの専門医を取得するのが自然な流れかと思いました。
また、救急の専門性を活かして、サブスペシャリティの取得ができる領域でもあると思います。
もともとは神経内科や産婦人科、小児科にも興味がありましたが、IVRであればすべての領域に救命として携わることができるとも考えました。
特にIVRと集中治療が、外傷症例が多い当センターで極めることのできる領域かつレベルの高いものであると思いました。

取得後の活用状況

IVRを学んだあとのことはまだ具体的に決まっていませんが、埼玉は住みやすくこの地で救急×IVRを続けていくつもりです。

当センターで取得をサポートしてもらった体験談

初期研修でもお世話になった関連施設の上尾中央病院に半年間、地域研修として行きました。診療の領域も異なり、当センターでは多くない内因性な疾患も見ることができ診療レベルのバランスがよくなったような気がしています。

最後に

当センターでの診療はとにかく学びが多いです。
非常に重症な外傷を全力で治療し、良くなっていく様子は劇的でやりがいを感じます。
また、スタッフ同士も仲がよくコミュニケーションをとるのが面白いです。
様々な設備もあり、自分の治療方針や勉強したことを実践でき、他分野の専門を持った先生も多いのでとても相談しやすい環境だと感じています。